◆逐語記録の読み解き方
問1 この面談で、“相談者が”『相談したい「問題」は何か』を記述してください。
相談者の始めの話に、問1の情報が詰まっています。
実際のカウンセリングを思い起こしてください。
相談者は相談しにいらっしゃる前に、何を話そうか考えるものです。
何か話したい、相談したいからこそ、来談されるのです。
ですから、相談の一番初めに、言いたいこと、相談したいことを、
まず話されることが多いでしょう。
従って、問1で問われる「相談者の訴えている問題」の情報が、
冒頭の文にほとんどの情報が詰まっています。
実技試験と同様に
事実の説明、感情の言葉から、意味を読み取ることが必要です。
繰り返し、何回も表現されていることがないか感じとり、
相談者が繰り返し話していることはありませんか。
表現方法が違っていても、同じことを違う言い回しで語っていることが多いのです。
そんなところも見落とさないようにクライエントのこだわりは何かを感じとってください。
問1は、まず、CLから語られる直接的な相談内容を要約します。
これは主に冒頭に語られることを中心として
さらに、CCと話していく中で相談者のこだわり、迷い、悩みをすくいとっていきます。
問1は、CL自身が問題として認識していることを整理することが大事です。
問2 “あなたがキャリア・コンサルタントとして “あなたがキャリア・コンサルタントとして”考える、『相談者の「問題」は何か』を記述してください。
問2は、CCの見立てです。
CLの問題の本質をCCが把握出来なければ、問題解決への道筋が見出せないことになるので、非常に重要なポイントとなります。
CLの抱える問題点を大きく捉えることです。読み取った逐語の根拠を簡潔に書きながら以下のようなワードで締めくくります。
①自己理解の不足
②仕事理解の不足
③思い込み
④若年者の場合は、「特定因子論」自分の興味と特性がわからないこと。仕事のミスマッチなど
⑤ライフキャリアプランがみえないこと
⑥キャリア・アンカーが見えないこと
⑦ワークライフバランス
⑧コミュニケーション不足
⑨情報収集不足
⑩整理不足
⑪自己効力感の低下 ほか
問3
あなたは、上記2つの「問題」を合わせ、相談者を援助するために、①どこに目標をおいて、②どういうことを実施したいか、あなたの具体的な方策を記述してください
問1、問2この2つが網羅出来るような目標設定にするためにしたほうがいいと思います。
具体的な方策のポイントは、やはり理論ですね。
●認知的なアプローチ
➡出来事によって起こされるのではなく、その出来事をどう受け止めるかによる
●発達論的なアプローチ
➡将来の不安があるときにビジョンを考える
●社会的学習論的なアプローチ
➡今の自分のスキルアップを図るために経験・学習する
●意思決定論的なアプローチ
➡何かを決定するときに優先順位を決めたり、やる気を起こさせる
多くのキャリアカウンセラーの方々は、ご存知ですが、理論を取り入れることは、キャリアコンサルティングに効果的なツールであり、
正しく理論を活用出来れば相談者の支援のために役立つことでしょう。
また、詳細は、後日、お知らせしたいと思います。